The Blind Watchmaker

京都在住のcyobiによる雑記帳です 

--.--.--[--] スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
    --:--  Top

2011.11.19[土] ダムと堤防

 国家百年の計から考える河川と治水と、その技術面から書かれています。急峻な日本の河川の特徴から始まり、先人の知恵を生かした堤防の話へと続いていきます。

 治水の方法として、洪水波形(横軸は時間、縦軸は流量)から考慮する方法が示されています。日本では、洪水波形が短時間でシャープな波形になります。ピークの流量を河川の堤防で防ぐためには、堤防の高さを上げる必要があります。しかし容量は小さいのでダムで貯水した場合、小さな貯水用量のダムですみます。しかし大陸の場合、洪水波形は長期間でフラットになります。そのため堤防の嵩上げは少なくてすみますが、ダムの場合は貯水量の大きなダムを必要とします。日本の治水としては、ダムのほうが適していると結論付けられています。

 洪水被害には外水と内水被害があり、被害金額は全国平均においては外水が54%を占めています。しかし東京都だけに限ると、内水被害が80%を占めてそうです。外水とは洪水が堤防を破壊して被害を与えるもので、内水とは提内地に降った雨水が、河川の水位より高いため排水できずに浸水する被害のことです。関東平野や大阪平野等の低地では、洪水による破提ではなく雨を排水することができないため水害が起こっていることになります。
 また堤防は、人の手で堤防を切る(態と切り)事が行われていることをはじめて知りました。河川の水位は二、三日で引きますが、提内の水は河川の水位が引くまで排水できないので、河川の水が引くときに自然排水できる場所の堤防を壊すそうです。昔より行われた技術で、それにより水害を軽くできるようです。

 私も勘違いしていたのは、ダムの堆砂率です。過去に新聞で、ダムの多くが半分以上砂で埋没しているいう報道がありました。堆砂率はダムの堆砂容量(計画値)における総堆砂量の割合です。それをダムの堆砂容量と総貯水量の比であると勘違いしていました。つまり堆砂率50%は堆砂容量の50%であり、総貯水量の50%ではないのです。ほとんどのダムが、砂で埋まっているような誤解をしていました。そのため筆者は埋没率で表現することを提唱しています。埋没量は、総貯水量における総堆砂量の割合です。全国のダムの埋没率の平均は8%程度だそうです。

 また砂防ダムは、ダムに砂が満砂してから本来の土砂災害を軽減することがきることを知りました。満砂することにより、河底勾配がゆるくなり土砂が堆積し、土石流をを食い止めるそうです。また河川の下方浸食と左右山岸山地斜面の崩壊を食い止めます。山に行くと砂防ダムが満砂しているのを見かけますが、そのダムが決壊したらどうなるのだろうと思っていました。かえって安定しているということです。

dam.jpg

竹林 征三 著 ダムと堤防 治水・現場からの検証
スポンサーサイト

2011.11.10[木] 文明を変えた植物たち コロンブスが遺した種子

 コロンブスが大西洋航路を開拓し、新大陸の物産がヨーロッパに持ち込まれました。その中で多くの影響を与えたジャガイモ、ゴム、カカオ、トウガラシ、タバコ、トウモロコシが話題として取り上げられています。

 これらの植物は、ピサロやコルテスがインカやアステカ文明を滅ぼして手に入れた財宝よりも、人類に与えた影響ははるかに大きいと紹介されています。特にヨーロッパでは生産性の悪いムギを主食としていたため、常に飢餓に怯えていました。しかしジャガイモの伝来により、飢餓から開放されました。生産性の高いトウモロコシもまた飼料として栽培されるがゆえに、今日われわれが肉食できているのです。

 トウモロコシはイネ科の植物であり、同じイネ科のコムギ、コメに比べると収穫率が非常に高いようです。コムギは5~6倍、コメは100倍、トウモロコシは800倍です。また面積辺りの収穫量は、コムギの3倍以上になります。さらに気候や土壌を選ばずに栽培でき、現在世界最大の穀物収穫量となっております。トウモロコシは含まれているタンパク質のアミノ酸価が低いため、コメ等と違い主食にはなりません。しかしその収穫量の半分は飼料となり、間接的に我々が肉食できる事になります。


 ゴムはパラゴムから採取され、アマゾンが原産です。しかし、今日の生産量は1パーセントも満たないそうです。これはイギリスがブラジルから種子をひそかに持ち出し、植民地での栽培に成功したからです。今では合成ゴムの生産量のほうが天然ゴム上回っていますが、まだ天然ゴムの領域に達していないものがあるそうです。航空機用のタイヤとコンドームは、まだ天然ゴムにかなわないようです。高空の低温からタッチダウン時の高温までの温度変化と対衝撃力を兼ね備えるのは難しいようです。また非常に薄く、ピンホールや破損がないという条件ではまだ及ばないとの事でした。


 新大陸の先住民は、旧大陸の文明により絶滅されかけたといってもいいでしょう。特に旧大陸から持ち込まれた伝染病は免疫のない人々を死に追いやりました。さらに虐殺、強制労働と新大陸の先住民は何も恩恵はなかったといえます。しかしひとつだけ旧大陸に一矢を報いた事があります。それは梅毒です。ほとんど交通機関がなかったのにもかかわらず、10年ほどで世界中にこの病気が広がったのでした。


 ジャガイモ、トマト、タバコなど、新大陸から伝わった重要な植物がみなナス科というのはおもしろいものです。

book_syokubutu.jpg


 文明を変えた植物たち コロンブスが遺した種子  酒井伸雄 著

2011.02.05[土] 昆虫未来学

 昆虫、それは人類より遙か前に誕生し、地球上の生物の種類で圧倒的なパーセンテージを占めています。その昆虫について書かれた興味ある本、『昆虫未来学-四億年の知恵に学ぶ』をよみました。

 全部で8章からなり、1章から4章までは昆虫の初歩から生態、役割など基本的なことが書かれています。5章は『地球温暖化センサーとしての昆虫』として、温暖化による昆虫への影響や温暖化の指標の観点から書かれています。

 6、7章は昆虫と人類の闘いや害虫のコントロールについて書かれています。農業被害をもたらす害虫も生態系には欠かせない存在で、駆除してしまえばよいというものではありません。殺虫剤を多用することによりかえって害虫が増えてしまう『誘導多発性(リサージェンス)』や『殺虫剤抵抗性』の問題もありました。そこで害虫防除から総合的有害生物管理(IPM)へ、さらに総合的生物多様管理(IBM)へ移行しつつあるようです。

 8章は『バイオミミクリー革命と昆虫』です。ミミクリーは模倣の意味でありバイオミメティクスともよばれています。シロアリの巣からヒントを得たエコ住宅やガの複眼を模倣した反射防止フィルムなど、すでに実用化されている時術があります。カタツムリの殻、ヤモリの指、クモの糸など他にも多くの可能性があり、構造や機能を模倣することにより、環境にローインパクトで省エネの技術を取り入れることができることでしょう。
 
 四億年の知恵を持つ昆虫から、我々は彼らの極めた構造と機能を学び、ともに歩んでいく必要があるのです。

603670.jpg


2010.11.25[木] とりぱん 10

 単行本も10冊の大台に乗りました。おなじみのつぐみんやひよちゃん、オナガ、コムクドリなどが登場します。鳥以外にも金魚や昆虫も描かれています。本編ももちろんおもしろいのですが、お便りコーナーもおもしろいです。色々な経験している人がいるのですね。おまけにメイキングとりぱんの書き下ろしがついています。

toripan10.jpg

2010.11.17[水] もしも月が2つあったらなら

 前作、『もしも月がなかったら』よりおもしろいです。その訳は設定が前作よりも多岐に渡っているからです。前作と同じ10章から成り、中にはおもしろい設定があります。

 第一章は題名と同じく『もしも月が2つあったなら?』です。架空の惑星ディマーンと2つの月の設定です。最終的には月が一つになってしまいます。

 第二章は『もしも地球が月だったら?』で、これが一番興味深く読みました。発想がおもしろいです。月が地球の大きさだとすると、地球は巨大惑星となります。その地球(衛星ミノア)は巨大惑星(ティラン)を公転し、さらに太陽の周りを公転するという複雑な軌道を回ることになります。最終的には今の月と同じ同期軌道となり、ティランからは同じ面しか見せないようになります。本書ではその頃に生命が誕生する設定になっています。ミノアに住む場所によって、天文学的に大きく変わるのはおもしろいでしょうね。ティラン側に住むのと裏側に住むのとでは、大きく変わってしまいます。特にティラン側は夜もティランの反射光で明るく、昼は常に日食により明るさが変化するのは想像しただけでわくわくします。

後は、『もしも月が逆向きに公転していたら?』、『もしも太陽の反対側の地球の軌道に反地球があったなら?』、『もしも地球に太陽が2つあったなら?』、『もしも他の銀河が私たちの銀河に衝突したら』などです。


book_moshituki.jpg

カミンズ.ニール・F.著
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

cyobi

Author:cyobi
日常を綴った雑記帳です。
タイトル通り自然淘汰されるか、進化するかお楽しみに!

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード
Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。